電気治療の効果

今日の昼休みに物理療法の本を読んで抜粋しました。当院で行う電気治療の効果と目的です。

電気治療のメカニズム



筋や神経を刺激し、筋収縮をおこす
感覚神経を刺激して痛みの治療に用いる
組織に電場を生じさせ、損傷部位の治癒機転を促進する
皮膚に電場を生じさせ、皮膚からのイオンの泳動を行い、損傷部位の治癒機転を促進する。

電気刺激による筋収縮は次のような臨床効果がある

  • 筋運動の再教育
  • 筋肉ポンプの作動
  • 筋委縮の改善
  • 筋力強化
  • 関節可動域の改善



1,筋運動の再教育
手術や外傷後に現れる筋の不使用は、電気刺激による筋運動再教育の代表的な適応症である。神経筋の連絡が損傷されていない場合は、上位中枢からの抑制による筋の不使用が起こる。この結果、当然筋力の減弱と、筋からの求心性神経活動の低下を引き起こす。このような筋力の減弱と求心性神経活動の低下を、電気刺激による筋収縮によって改善することがこの治療の目的となる。

2,筋肉ポンプの作動
筋の随意収縮と同様に、電気的な筋収縮によって、静脈やリンパ管のポンプ作用が働き、血液や体液の心臓への還流を促進する。外傷や外科的手術によって体液が貯留し、浮腫が出現しやすくなる。この浮腫は血管構造の損傷と四肢の筋の活動性の低下が原因となって表れる。浮腫を起こした四肢への電気刺激による筋収縮は、損傷を受けた部位を保護しながら、そこでの正常な循環動態の再形成を促進する働きを持っている。



3,筋委縮の予防
低周波電気刺激は、従来、筋委縮予防やその発現の遅延の目的のために用いられてきた。例えば、外傷によって通常の筋運動が阻害されたようなとき、筋の電気的筋収縮は、随意的筋収縮と同じような効果を引き出すことが可能となり、筋の生理的機能の維持に役立つ。



4,筋力強化
電気的な筋収縮は、筋力の低下や脱神経筋の筋力強化に利用されている。



5,関節可動域の改善
電気的な筋収縮によって関節可動域が増加が可能になる。筋収縮によって可動制限がある関節を引っ張る効果を持つ。つまり、関節を構成する筋が一定時間にわたって収縮することは、関節自体や筋組織に修飾作用や伸張効果を及ぼす。


感覚神経の電気刺激とその臨床的応用


臨床的には、感覚神経を電気刺激することによって痛みの治療に利用されている。電気刺激による鎮痛効果を理解するには、痛みの認知機構について理解する必要がある。

1,ゲートコントロール仮説
傷んでいるところの皮膚の太い神経を電気刺激すると、中枢での痛みの認知機構に変化を及ぼす。すなわち電気刺激によって、痛みの感覚入力は遮断される。これは感覚神経の電気刺激によって、中枢のゲートが閉じて痛みの信号入力が抑制されることによる。これに対して刺激に慣れが生じたり、刺激を止めたりしたときは、中枢のゲートが開いて痛みの信号の入力がなされ、再び痛みを感じるようになる。



2,偏重抑制理論
C線維やA線維が興奮するような強い電気的な刺激が、末梢(トリガーポイントや経穴)に短時間に加わると、上位の中枢から脊髄へ下降性の抑制が掛かり、脊髄への痛みの入力が遮断される。



3,内因性オピオイドによる痛みの抑制
感覚神経への電気刺激によって、中枢内の特定の部位からエンケファリンが遊離され、また脳下垂体から脳脊髄液を介してβエンドルフィンが放出される。その遊離のメカニズムや受容体への結合についてはまだ不明な点が多いが、痛い部分や遠隔部、あるいは特定のトリガーポイントや経穴部への電気刺激によって痛みが減弱したり、消失したりする。

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